仮想現実(VR)技術がゲーム産業に与える影響

「VR」については、よくご存じの方が大半かと思いますが、知らない人のために説明すると、頭に装置を装着して、コンピュータによって作成されたリアルな空間や世界を体感できる技術のことです。そのため、VRでは、自分の仮想の動きが周りの動きと一致することが目標となります。

もちろん、仮想世界は、完全にリアルと同じである必要はなく、超自然的、創造的、幻想的な世界を描いたVRゲームも多数あります。VRシミュレーションは、3つの重要なカテゴリーに分類されます。

  • 非没入型シミュレーション
  • 半没入型シミュレーション
  • 全没入型シミュレーション

私と同じような熱心なゲーマーの方なら、VRといえばゲームを連想するでしょう。しかし、VR技術では、それ以上のことができるんです。エンタメ業界だけでなく、教育などの実用的な目的にも非常に適しています。

最近では、ギャンブル業界も進歩しており、特にオンラインカジノに関しては、VRの利用が進んでいます。以下では、ギャンブル業界においてVR技術がどのように使われているのか、また今後の展望をご紹介していきます。

まずは、カジノにおいてVR技術にどんな利点があるのか、について説明します。世界中には数多くのカジノがありますが、日本など合法的にカジノが設立できない国に住んでいる場合、なかなか実店舗のカジノには行くことは難しいですよね。

この場合、ギャンブルが好きな人は、インターネット上で自分が遊びたいゲームをプレイすることになるので、最近では、これまで以上にオンラインカジノが盛んになっているのです。

カジノに「テレポート」する装置を頭に装着して楽しみたいという方であれば、VRで素晴らしい体験ができます。例えば、一番近い実店舗のカジノから1万キロも離れた場所にいるとします。

そこで、あなたはVRヘッドセットを頭に装着し、コントローラーを手に持って、仮想世界へと踏み出します。仮想世界の目の前にあるのは、豪華なカジノで、広いゲームフロア内に無数のゲームテーブルが見え、音楽が流れ、カクテルを飲む人がいて、ポーカーテーブルでは緊迫したゲームが行われていて、どこを向いてもキラキラと本物のカジノ のように輝いています。

VR世界では、あのラスベガスの有名カジノも広がります。ラスベガスのカジノホテルは、高級ホテルとしても知られていますが、カジノで大儲けをしているのですから、当然、世界有数の贅沢で豪華なホテル施設となっているのです。

カジノへのVR導入が極めて適している理由は、もう一つあります。Z世代と呼ばれる若者世代は、実店舗のカジノでゲームをするのに興味を持たないからです。現代の若者は、テクノロジー志向が強いので、カジノのお店に行くより、コンソール等の電子機器を操作する方が安心するのは当然のことです。

また、VRは、カジノオーナーとプレイヤーの両方にメリットがあります。オーナーにとっては、VRを通してより多くの顧客に利用してもらえますし、プレイヤーにとっては、自宅でいつでも気軽にプレイできるようになります。

ただし、VRの最大の問題となるのは、やはりその価格でしょう。現状では、VR機器は非常に高価なので、カジノでの開発・導入が遅れています。ただし、通常、技術にかかる価格は時間とともに下がっていくので、VRについても将来的に普及することが期待できますね。